出雲大社のご利益・見どころ・参拝ガイド|縁結びの神社
神社の概要
島根県出雲市に鎮座する出雲大社は、正式には「いづもおおやしろ」と読み、日本でも屈指の歴史を誇る神社です。ご祭神は大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)。「だいこくさま」の呼び名でも親しまれ、なかでも人と人、人と物事とのあらゆる「ご縁」を結ぶ「縁結び」のご利益で全国に知られています。
創建の年代ははっきりとは分かっていませんが、『古事記』『日本書紀』にもその由緒が記される、日本神話の時代にまでさかのぼる神社です。旧暦10月になると全国の神々が出雲に集まるとされ、出雲地方だけは10月を「神在月(かみありづき)」と呼びます。他の地域で使われる「神無月(かんなづき)」とは正反対の意味を持つ、出雲ならではの言い伝えです。
どのような神社なのか
出雲大社のいちばんの特徴は、「大社造(たいしゃづくり)」と呼ばれる、日本の神社建築のなかでも最も古い様式のひとつで建てられた御本殿です。現在の御本殿は延享元年(1744年)に造営されたもので、高さは約24メートルとされ、神社建築としては日本一の高さを誇ります。大正時代には国宝に指定されました。古い記録には、かつての御本殿はさらに高く、実に約48メートルもあったと伝わっていますが、その真偽は今もはっきりとは分かっていないそうです。平成20年(2008年)から平成25年(2013年)にかけては「平成の大遷宮」と呼ばれる大規模な修造も行われ、御本殿の屋根の檜皮(ひわだ)を葺き替えるなど、次の時代へと受け継ぐための手入れが施されました。
神楽殿(かぐらでん)にかかる大注連縄(おおしめなわ)も、出雲大社を象徴する見どころのひとつです。長さ・重さともに日本有数の規模を誇り、数年に一度、氏子や崇敬者の奉納によって新しいものに掛け替えられています。
参拝の作法にも、出雲大社ならではの特徴があります。一般的な神社の参拝作法は「二礼二拍手一礼」ですが、出雲大社では「二礼四拍手一礼(にれいよんはくしゅいちれい)」、つまり4回柏手を打つのが正式な作法とされています。慣れない参拝者にとっては意外に感じるポイントかもしれません。
現在の「出雲大社」という名称は、実は明治4年(1871年)に改められたもので、それ以前は長らく「杵築大社(きづきたいしゃ)」と呼ばれていました。地元では今も「杵築さん」の愛称で親しむ人がいるなど、古い呼び名の名残が残っています。
御祭神と由緒
まつられている神さま
出雲大社にまつられているのは、大国主大神。「所造天下大神(あめのしたつくらししおおかみ)」とも呼ばれ、国土の開拓や農業・漁業・商業・医薬など、人々の暮らしに欠かせない知恵を授けた神さまと伝えられています。大国主大神は、日本の神さまのなかでも特に多くの別名を持つことで知られています。「大穴牟遅神(おおなむちのかみ)」「葦原色許男神(あしはらしこおのかみ)」「八千矛神(やちほこのかみ)」など、記録に残るだけでも十を超える名前があり、それぞれの名前が国づくりの過程で乗り越えてきた試練や活躍を物語っているとも言われています。
由緒 ― 因幡の白兎から国譲りへ
大国主大神の人柄をよく表す逸話として知られるのが、「因幡の白兎(いなばのしろうさぎ)」の神話です。ワニ(サメ)をだまして海を渡ろうとして皮をむかれ、苦しんでいた兎に、大国主大神の兄神たち「八十神(やそがみ)」は誤った治療法を教えて余計に苦しめてしまいます。そこへ通りかかった大国主大神は、真水で体を洗い、蒲(がま)の穂にくるまるよう優しく教え、兎を助けたと伝えられています。この心優しい行いが、のちに国づくりの神として大成する大国主大神の徳を示すエピソードとして、今も広く親しまれています。
その後、大国主大神は豊かな国土「豊葦原の瑞穂国(とよあしはらのみずほのくに)」を築き上げますが、天照大御神(あまてらすおおみかみ)からの使者に国を譲るよう求められます。大国主大神の子である建御名方神(たけみなかたのかみ)はこれに反対して力比べを挑みますが敗れ、信濃国(現在の長野県)まで逃れたと伝えられています。この地に鎮まったのが、諏訪大社のご祭神です。一方、大国主大神自身は国を譲ることを決意します。これが「国譲り」と呼ばれる神話です。この際、天照大御神は大国主大神に感謝し、目に見えない世界(幽世・かくりよ)を治める役割を授けたと伝えられ、その住まいとして築かれたのが出雲大社のはじまりとされています。
主なご利益
出雲大社のご利益といえば、まず挙げられるのが「縁結び」です。大国主大神が結ぶ「ご縁」は男女の恋愛関係に限らず、人と人、人と仕事、人と土地など、あらゆる巡り合わせを指すとされています。良縁を願う参拝者はもちろん、転職や引っ越しなど人生の転機を迎えた方が訪れることも多いようです。出雲大社のご縁参りやご祈祷について詳しくは「縁結び」のページもご覧ください。
神在月には、出雲に集まった神々が話し合い、人々のご縁を結ぶ会議を開くとも伝えられており、この時期には「神在祭(かみありさい)」や「縁結大祭(えんむすびたいさい)」といった神事が営まれます。出雲大社の縁結びのご利益は、こうした神話の物語と結びついているからこそ、多くの人の心をとらえているのかもしれません。
このほか、国づくりの神さまであることから、商売繁盛や家内安全、さらには農業・漁業の守り神としても古くから崇敬を集めています。
境内の見どころ
広大な境内には、見どころが数多くあります。まず参道の入り口に立つ「勢溜(せいだまり)の大鳥居」をくぐり、松の参道を抜けた先にあるのが「銅鳥居(どうのとりい)」。ここから先が、いよいよ御本殿へと続く神域です。
参道の途中で出会うのが、「御慈愛の御神像(ごじあいのごしんぞう)」。由緒でも触れた「因幡の白兎」を助ける大国主大神の姿を表したブロンズ像です。さらに拝殿の手前には「ムスビの御神像」も。荒波の中から現れた黄金の光「幸魂奇魂(さきみたまくしみたま)」を、大国主大神が両手を広げて迎える姿を表したもので、この光から「むすび」の力を授かったという神話にちなんでいます。出雲大社の縁結びのご利益は、この「むすび」の物語に由来しているとも言われています。
拝殿の奥にそびえる御本殿は、前述の通り国宝に指定された日本最古級の神社建築。一般の参拝者が入ることのできる拝殿でお参りをするのが基本の参拝スタイルです。御本殿の裏手には「素鵞社(そがのやしろ)」という小さな社があり、御本殿の真裏という特別な立地からパワースポットとしても人気があります。稲佐の浜の砂を奉納し、代わりに社の下の砂を持ち帰る風習でも知られています。
御本殿を囲むように東西に建つ「十九社(じゅうくしゃ)」も見逃せません。神在月に出雲を訪れた全国の神々がお泊まりになるとされる社殿で、ふだんは扉が閉ざされていますが、神在祭の期間だけ扉が開かれます。
そして境内のあちこちに点在する、うさぎの像も出雲大社らしい見どころです。「因幡の白兎」の神話にちなんだもので、参道や境内のさまざまな場所に、表情豊かなうさぎの石像が置かれており、探しながら歩くのも参拝の楽しみのひとつです。
神楽殿の大注連縄も見逃せません。長さ約13メートル、重さ約5トンとも伝えられる圧倒的なスケールで、多くの参拝者が見上げて記念撮影をする、出雲大社を代表する光景のひとつです。
御朱印・お守り・授与品
御朱印は、境内の授与所でいただくことができます。出雲大社ならではの意匠の御朱印帳も用意されているので、あわせて確認してみるのもよいでしょう。初穂料や受付時間は変更されることもあるため、参拝時に社務所で確認するのが安心です。
お守りは、縁結びにちなんだものをはじめ、交通安全や学業成就、健康祈願など、目的別に幅広く授与されています。良縁を願う「縁結びの糸」や、大国主大神と兎の伝説にちなんだ、うさぎをモチーフにした授与品も出雲大社らしい人気のアイテムです。「だいこくさま」の名にちなみ、福を招くとされる打ち出の小槌をかたどった授与品も見つけることができます。
アクセスと駐車場
出雲大社へは、JR「出雲市駅」から一畑バス[出雲大社・日御碕・宇竜行き]で約25分、「正門前」または「出雲大社」バス停で下車します。一畑電車の「出雲大社前駅」からは、参道を歩いてすぐの距離とされています。飛行機を利用する場合は、出雲空港からタクシーやバスでのアクセスも可能です。
車で訪れる場合は、山陰自動車道「出雲IC」から国道431号線を経由してアクセスします。境内には大駐車場(385台)、第2駐車場(360台)、第3駐車場(20台)の3カ所が用意されています。正月三が日など混雑が予想される時期は交通規制が行われることもあるため、事前に公式サイトで最新情報を確認しておくと安心です。
よくある質問
出雲大社にはどんな神様がまつられていますか?
国づくりの神さまとして知られる大国主大神がまつられています。「だいこくさま」の呼び名でも親しまれ、あらゆるご縁を結ぶ「縁結び」の神さまとして信仰を集めています。
出雲大社の主なご利益は何ですか?
男女の縁だけでなく、人と人、人と仕事などあらゆる巡り合わせを結ぶ「縁結び」のご利益で広く知られています。商売繁盛や家内安全のご利益でも信仰されています。
出雲大社の参拝作法は他の神社と違いますか?
はい。一般的な神社の「二礼二拍手一礼」に対し、出雲大社では「二礼四拍手一礼」、つまり4回柏手を打つのが正式な作法とされています。
神在月とは何ですか?
旧暦10月に全国の神々が出雲に集まるとされることから、出雲地方だけは10月を「神在月」と呼びます。他の地域で使われる「神無月」とは正反対の意味を持つ、出雲ならではの言い伝えです。
出雲大社の境内でうさぎの像を見かけるのはなぜですか?
ご祭神の大国主大神が「因幡の白兎」を助けたという神話にちなんでいます。境内のさまざまな場所にうさぎの石像が置かれており、探しながら歩くのも参拝の楽しみのひとつです。
出雲大社へのアクセス方法は?
JR出雲市駅から一畑バスで約25分。一畑電車の出雲大社前駅からは参道を歩いてすぐです。車の場合は山陰自動車道「出雲IC」から、飛行機の場合は出雲空港からのアクセスも可能です。
まとめ
出雲大社は、大国主大神をまつる、日本神話の時代にまでさかのぼる由緒ある神社です。国宝に指定された御本殿や、神楽殿の大注連縄、境内に点在するうさぎの像など、見どころも豊富。「二礼四拍手一礼」という独自の参拝作法も、出雲大社ならではの特徴です。
なかでも「縁結び」のご利益は全国的によく知られ、多くの参拝者が良縁を願って訪れます。旧暦10月に全国の神々が出雲に集まり、ご縁を話し合うという「神在月」の言い伝えも、出雲大社ならではの魅力のひとつです。島根県出雲市を訪れる際は、悠久の歴史と結びのご利益に触れに、ぜひ足を運んでみてください。なお、参拝や御朱印の基本的な作法については、神社参拝の基本作法や御朱印のいただき方もあわせてご覧ください。