伊勢神宮のご利益・見どころ・アクセス|内宮外宮ガイド
神社の概要
三重県伊勢市に鎮座する伊勢神宮は、正式には「神宮」といい、日本全国の神社の中でも別格の存在として知られています。内宮(皇大神宮)と外宮(豊受大神宮)を中心に、別宮・摂社・末社・所管社をあわせた125の宮社から成り立つ、一つの社殿ではなく壮大な神社群です。「お伊勢さん」の愛称でも古くから親しまれ、日本人の心のふるさととも言われる場所です。
内宮にまつられているのは、皇室の御祖先の神であり、太陽を司る神さまとされる天照大御神(あまてらすおおみかみ)。外宮にまつられているのは、衣食住や産業の恵みを司る豊受大御神(とようけのおおみかみ)です。ご鎮座からおよそ二千年という、悠久の歴史を持つ神社です。
どのような神社なのか
伊勢神宮のいちばんの特徴は、20年に一度、社殿をはじめすべてを新しくつくり替える「式年遷宮(しきねんせんぐう)」という制度です。持統天皇4年(690年)に第1回が行われて以来、実に1300年以上にわたって続けられてきました。直近では平成25年(2013年)に第62回が行われ、次回の第63回は令和15年(2033年)に予定されています。社殿だけでなく、御装束や神宝までことごとく新調するという、世界的に見てもきわめて珍しい仕組みです。
社殿の建築様式にも独特の決まりがあります。「唯一神明造(ゆいいつしんめいづくり)」と呼ばれるこの様式は、伊勢神宮の御正殿にしか用いることが許されていない、唯一無二のスタイルです。掘立柱に茅葺屋根という、素朴なつくりでありながら、そこに込められた格式の高さは特別なものがあります。
参拝の際に覚えておきたいのが「外宮先祭(げくうせんさい)」という慣わしです。外宮にまつられる豊受大御神が天照大御神に食事を供える神さまであることにちなみ、外宮から先に参拝し、そのあとで内宮に向かうのが古くからの正式な順序とされています。
御祭神と由緒
まつられている神さま
内宮(皇大神宮)にまつられているのは、天照大御神。太陽を司り、皇室の御祖先とされる、日本の神さまの中でも中心的な存在です。外宮(豊受大神宮)にまつられているのは、豊受大御神。衣食住をはじめ、あらゆる産業の守り神として、天照大御神の食事を司る「御饌都神(みけつかみ)」とされています。
由緒 ― 倭姫命が見つけた「常世の波が寄せる国」
天照大御神は、もともと皇居の中でおまつりされていました。しかし第10代・崇神天皇の時代、皇居の外へお遷しすることになったと伝わります。その後、第11代・垂仁天皇の皇女である倭姫命(やまとひめのみこと)が、天照大御神を永遠にまつるにふさわしい場所を求めて各地を巡ります。そしてたどり着いたのが、伊勢の地でした。
『日本書紀』によれば、天照大御神は「この神風の伊勢の国は、常世の波が幾重にも打ち寄せる美しい国である。ここに留まりたい」と告げられたとされ、倭姫命は五十鈴川のほとりに宮を建てました。これが、およそ二千年前の伊勢神宮のはじまりと伝えられています。
主なご利益
伊勢神宮は、一般的な神社とは少し違った参拝の考え方を持っていると言われています。正宮(内宮・外宮の中心となる社殿)では、個人的な願い事をするというより、日々の暮らしへの感謝を伝える場所であるという考え方が古くから伝わっています。皇室の御祖先である天照大御神をおまつりする、日本人全体の総氏神にあたる神社だからこそ、というのがその理由のようです。
とはいえ、個人的な願い事をすること自体が禁じられているわけではなく、内宮の別宮「荒祭宮(あらまつりのみや)」や外宮の別宮「多賀宮(たかのみや)」であれば、個人的な祈願にもふさわしいとされています。まずは正宮で感謝を伝え、そのあとで別宮にお願い事をする、という順序を意識してみるとよいかもしれません。
このほか、外宮にまつられる豊受大御神が衣食住・産業の神さまであることから、五穀豊穣や商売繁盛、開運といったご利益でも古くから崇敬を集めています。
境内の見どころ
内宮の入り口に立つ「宇治橋」は、俗世と神域を分ける架け橋とされ、五十鈴川にかかるこの橋を渡るところから参拝が始まります。宇治橋の両端に立つ大鳥居は、式年遷宮ごとに新しくなった内宮・外宮の旧正殿の棟持柱(むなもちばしら)を再利用してつくられているそうで、木材を無駄にしない知恵が受け継がれています。
宇治橋を渡った先にある「五十鈴川御手洗場(みたらし)」も見逃せません。手水舎とあわせて、清らかな五十鈴川の水で手や口を清めることができる、内宮ならではの参拝スポットです。倭姫命がこの川で裳の裾を洗ったという言い伝えから「御裳濯川(みもすそがわ)」の別名でも呼ばれています。
そして伊勢神宮最大の見どころといえるのが、「どのような神社なのか」でも触れた式年遷宮そのものです。次回、第63回式年遷宮は令和15年(2033年)に予定されており、今参拝する社殿も、いずれ新しく生まれ変わっていきます。同じ広さの敷地が隣り合って残されているのも、式年遷宮を続けてきた伊勢神宮ならではの光景です。
御朱印・お守り・授与品
御朱印は、内宮・外宮それぞれの神楽殿でいただけます。受付時間は6時から、閉門時間にあわせて17時から19時の間で季節によって変動します。日付と押印のみのシンプルな御朱印であることも特徴のひとつです。
お守りは、内宮・外宮それぞれの神楽殿で授与されており、交通安全御守や学業御守、厄除御守、安産御守など、目的別に幅広く揃っています。同じ種類のお守りでも内宮と外宮で色や形が異なるものもあり、それぞれの授与所で確認してみるのも参拝の楽しみのひとつです。開運鈴守や、外宮ならではの海幸守など、伊勢ならではの授与品も見どころです。初穂料は授与品によって異なるため、各神楽殿で確認してください。
アクセスと駐車場
外宮へは、JR・近鉄「伊勢市駅」または近鉄「宇治山田駅」から徒歩約5分と、駅からのアクセスが便利です。一方、内宮へは近鉄「五十鈴川駅」から徒歩約30分かかるため、外宮前のバス停から内宮行きの路線バスを利用するのが一般的です。外宮を参拝したあと、バスやタクシーで内宮へ向かうルートが多くの参拝者に選ばれています。
車で訪れる場合は、伊勢自動車道「伊勢西IC」から市営宇治駐車場まで約5分です。ただし、正月三が日や土日祝日など混雑が予想される時期には交通規制が敷かれ、指定の駐車場からバスに乗り換える「パーク&バスライド」が推奨されることがあるため、事前に公式サイトで最新情報を確認しておくと安心です。
よくある質問
伊勢神宮にはどんな神様がまつられていますか?
内宮(皇大神宮)には皇室の御祖先とされる天照大御神、外宮(豊受大神宮)には衣食住・産業の神である豊受大御神がまつられています。
伊勢神宮の主なご利益は何ですか?
正宮は個人的な願い事よりも感謝を伝える場とされ、個人的な祈願は内宮の別宮「荒祭宮」や外宮の別宮「多賀宮」でするのが伝統とされています。豊受大御神にちなむ五穀豊穣・商売繁盛のご利益でも知られます。
伊勢神宮の見どころは何ですか?
内宮入口の宇治橋と大鳥居、清らかな水で身を清める五十鈴川御手洗場、20年に一度すべてを新しくする式年遷宮などがあります。
伊勢神宮は内宮と外宮、どちらから参拝すればよいですか?
外宮にまつられる豊受大御神が天照大御神に食事を供える神さまであることから、外宮から先に参拝する「外宮先祭」が古くからの正式な順序とされています。
伊勢神宮の御朱印はどこでいただけますか?
内宮・外宮それぞれの神楽殿でいただけます。受付時間は6時から17時または19時までで、季節により変動します。
伊勢神宮へのアクセス方法は?
外宮はJR・近鉄「伊勢市駅」から徒歩約5分。内宮は近鉄「五十鈴川駅」から徒歩約30分か、外宮前バス停から路線バスで約6分です。外宮参拝後にバス・タクシーで内宮へ向かうのが一般的です。
まとめ
伊勢神宮は、天照大御神をまつる内宮と、豊受大御神をまつる外宮を中心に、125の宮社からなる、日本の神社の中でも特別な存在です。20年に一度、社殿のすべてを新しくつくり替える式年遷宮は1300年以上続く伝統で、次回は令和15年(2033年)に予定されています。
正宮では感謝を伝え、個人的な願い事は別宮でというように、独自の参拝作法が伝わっているのも伊勢神宮ならではの魅力です。宇治橋や五十鈴川御手洗場など、二千年の歴史を感じられる見どころも豊富です。
外宮から内宮へとめぐる参拝ルートも、伊勢ならではの体験です。三重県伊勢市を訪れる際は、日本人の心のふるさとと呼ばれる伊勢神宮に、ぜひ一度足を運んでみてください。なお、参拝や御朱印の基本的な作法については、神社参拝の基本作法や御朱印のいただき方もあわせてご覧ください。